C++ ときどき ごはん、わりとてぃーぶれいく☆

USAGI.NETWORKのなかのひとのブログ。主にC++。

Olympus OM-D E-M1 Mark Ⅲ が Mark Ⅱ からの更新ユーザーとしては悲しすぎたので書き留めておくメモ。 Mark Ⅳ があってももう事前情報を好意的には見てはあげません。

OLYMPUS OM-D E-M1 Mark Ⅲ が初めてのフラッグシップモデル級のカメラ購入で、 OLYMPUS のサンプルを他社と比較して SPEC を確認した上で購入するなら…悪い製品ではありません。ただ、MarkⅡの時と違い、2020年現在では基本性能を上げてきた他社に対してセンサー、基本の解像度、動画性能などで足踏み状態なので良い選択肢としてオススメできるかは…やや人を選ぶ要求次第かもしれません。防塵防滴、7.5段手ブレ補正、TruePicⅨの基本性能と画像として取り出せる絵のピクセルレベルでの解像感の良さ、MFTでレンズ含めの携行性が非常に良くM.ZUIKOレンズも良い…そういった基本的な部分で選択するのは良いと思います。

これから書くこの記事の本体の悲しみのメモはその上で、特に Mark Ⅱ から Mark Ⅲ へメーカーの事前情報を好意的に信じ期待して高いお金を払って更新したユーザーの悲しみどころのメモです。もちろん、事前情報の確認が足りないだけと言ってしまえばそういう部分もありますが、2020年のフラッグシップモデルですしね…、カメラ本体の公式サイトに書いてある事は好意的に読んで期待したいじゃないですか…特に本体性能の数値的にはまるで進化がなかったので、それ以外での進化はけっこう頑張っているはずだ…って。

1. WiFi アクセスポイント経由で Olympus Capture と接続できるよ!

但し、 「接続中に本体を操作して撮影すると画像がPCへ自動コピーされる別モードでの接続ができるだけ」でした。Olympus Captureはリモートコントロールソフトです。接続できるって書いてあったらリモートコントロールできると思うじゃないですか…。できません。

プレビューしても遅延が数百ミリ秒発生してしまう、とかあるんでしょーけど、ユーザー的には遅延1秒でもコントロールさせて欲しいです。フォーカスとシャッターの制御しかできなくてもさせて欲しいです。本体でシャッター押した画像が転送されてくるだけとか完全にただのおまけ機能じゃないですか…。WiFi接続では画像転送しかできないのに、USB接続と同じような扱いに見える具合で対応しましたって言っちゃってるの、ダメだと思います。

小さく注意書きはあったのかな…。Captureの機能からは別モードというかおまけ程度の機能過ぎると思うのです。ゆえに、それにユーザーが期待してしまわない程度にはきちんと表示しておいてほしかったです。

Ⅲへの更新の期待の1/3はここでした。WiFiではCaptureからコントロールできないって、がっかりでした。

…そもそも O.I. Share ではアドホックモードのみで簡易的であれカメラコントロールできてるじゃないですか…。アクセスポイント経由の遅延に何か拘りがあるのかわかりませんが、ユーザーが本当にほしかったものを考えろです。

2. Bluetooth でスマフォと接続できるよ!

但し、「WiFiで接続可能な場合は従来どおりスマフォアプリが全自動で現在のWiFiを切断してアドホックにカメラのWiFiと接続するけどね!」でした。事実上 O.I. Share に Mark Ⅱ までのユーザーが期待した Mark Ⅲ でのBluetooth接続はできません。ⅢのWiFi/Bluetooth接続をONにすると、 O.I. Share は常に WiFiアドホック接続を試みてしまうので WiFi 切り替えが従来通り発生してやぼったい、うざったいです。

では、 Bluetooth はいつどこで接続できるのかと言うと、カメラの電源をOFFにした時にバックグラウンド接続という形で使用できる、という事のようです。カメラを電源OFFにした状態でも Bluetooth の設定が済んでいれば O.I. Share からカメラの電源はOFF(という体裁でBTと一部の機能がバッテリーを消費して動作するモードでONになっている)のまま、写真の取り込みをできます。カメラの電源はOFFという体裁の接続モードなのでカメラの撮影関連のコントロールはできませんん。

カメラの電源をONにしている状態で再生モードでRECボタンでチェックを付け、OKボタンを押してメニューからシェア予約しておくと、電源OFFになった後、スマフォの O.I. Share が Bluetooth でこっそり接続し、シェア予約された画像をスマフォ側へ自動的に取り込んでくれる、という機能が主体のようです。実際これは便利なので、期待した動作とは異なりますが、若干救われたお気持ちです。

電源ON時もBluetoothだけで接続して欲しい…。PCのCaptureともBluetooth接続できて欲しい…。ユーザーが本当にほしかったものをよく考えてほしい。

3. USB PD で給電できるよ!

但し、「USBケーブルをつないだだけでは自動的に給電開始されずUSBの動作モード選択をぽちぽちしてPDを選ばないとならないし、そもそもPD対応ではない給電元からは給電一切受けないけどね!」という仕様みたい。

先ずね、USBケーブルが挿されたら、PDでも非PDでもプロファイルに応じた給電を受けなさいよ…と。PDもわざわざケーブルを挿した後で「どのモードにする?」とかメニューをぽちぽちユーザーに操作させずに自動的に給電受けて下さいよ…。めんどくさいよ…。そもそも、挿したUSB元がPDではなくても可能な電力量の給電をしきい値を設けるであれ受けて欲しー。悲しい。

ちなみにPD対応ではないが給電能力は十分なUSB元に接続してメニューぽちぽちでPDを選ぶと「しばらくお待ちください」表示になり固まります。(USBケーブルを抜けば復帰します)

ユーザーが本当にほしかったものを考えてほしい。ただでさえ数値的には本体性能上がらず Mark Ⅲ への更新には否定的なレビューも多かった今回の新型です。せめて数値的にあがっていない部分の4年分の更新を、できれば「これができるようになったよ!」と言うのなら、それを言われたユーザーが期待するであろう、対応の文言に釣られたユーザーが本当に期待したものを実現して欲しい。

4. 手持ちハイレゾ50MP!

(ご注意 この項は初稿では↑までのⅡ→Ⅲユーザーの期待感による優良誤認の悲しみから「手持ちハイレゾ50MP役に立たない」と勢いよく言い切ってしまいましたが、夜の屋内の白熱電球照明での試写で撮影条件としてはやや厳し目だった事もあり、後日、改めて楽しめないか試写&画像比較付きで追加メモを書こうと思います。)

いちおう撮影はできます。できますが、手持ちハイレゾは役に立ちませんでした。

両肘をテーブルに置いて軽く固定を意識した状態で手持ちハイレゾ撮影しても、ふつーに非ハイレゾで撮影した方がブレないだけ綺麗です。手持ちハイレゾでもよくブレを押さえて超解像してくれていると、技術的にはとても関心できる絵ができあがります。しかし、そもそもハイレゾにせず1枚だけ撮影した方が綺麗に撮れます。手持ちハイレゾの意味なし。

もちろんピクセルレベルに近い確認をすれば、という程度ですし、三脚モードにして静的な絵なら80MPで撮影できる点ではとても嬉しいハイテック機能ではあるのですが、手持ちハイレゾは実用性の無い釣り針だった事には代わりありません。

ちなみに三脚ハイレゾモードにしつつ手持ちで80MP撮影しても、手持ちハイレゾモードにしつつ50MP撮影しても、非ハイレゾシングルフレームの15.9MP撮影と比べると大差ないブレ度の絵が撮れます。そういうわけで、すごいのだけど、手持ちハイレゾが無意味だった事には代わりありません。

…ムキムキマッチョ筋肉人間三脚ゴッドハンド&ボディーをお持ちのよく訓練されたスーパープロフェッショナルカメラパーソンならあるいは…。まあ、素直に三脚ハイレゾしましょうという事ですね。

その他

ジョイスティックが増えた事について

付いている意味がほとんど無い気がする程度の機能性でした。十字より斜めを入力しやすいとは言え、器用にカーソリングするには小さすぎ&硬すぎです。そもそもタッチスクリーンもあるので器用にフォーカス位置を替えたりしたいユーザーはジョイスティックよりタッチスクリーン使えばいいですね。基本的にジョイスティックと十字の操作は同じ処理が割り当てられている事もあり、なおのこと要らないですね。

代わりにタクタイルスイッチを1つ増やしてくれた方がよっっっっっっぽど嬉しかった程度の謎の何かであったことがわかりました。一応PSやXBOXゲームパッドのアナログスティックのように押し込みボタンとしても使えるのですが、方向入力に化け易く、素直にタクタイルスイッチを1つ付けてくれた方が嬉しいです。

MENUが左上へ行った事について

キャンセルボタンを兼ねているので、OK/CANCELを右手だけで操作できなくなりました。地味に不便。INFOが右下になった事はこれは便利なので、やっぱりジョイスティック要らないのでは感がマシマシに…。

褒めるところはないのですか?

あります。たいていは Mark Ⅱと変わっていないか、本質的には大差ない部分は良いカメラです。冒頭に書いた防塵防滴などなど。

ただ、数値で比較する基本性能が X-T4 はじめ圧倒的に負けてしまっていて、センサーサイズもMFTのデメリット(メリットも大きいけれど)を抱えつつお値段はそれら競合と大差ない、それでⅡからⅢへの変更点がほとんど実質的に微妙な程度だったのですから、信じてⅡからⅢへの更新を予約購入で行ったファンとしては悲しみです。

TruePicⅧからⅨへの更新は気持ち動作のキビキビ感は向上したような気もしますが、実感としては気の所為程度です。メニューが少しだけわかりやすく工夫されたとか地味な更新もありますが、Ⅱでもファームウェア更新で追従できた程度の事のような部分もあります。

少なくとも予約購入した事は過ちでした。もっとよく確認していればⅡからⅢへの更新はしなかったか、X-T4を買っていたかもしれませんし、Nikonへ帰っていたかもしれません。せめて、発売前情報で期待した「あれができる」「これができる」との釣り針を見たユーザーが想像した本当にほしかった機能を着実に実装してくれていたら、数値的な基本性能は変わらなくともⅢにしてよかった!ってついーと&メモを残していたと、思うのですけどね…。

なんだか、悲しい。

まあ…基本性能は…気に入っているからこれを使う事に悲しみを懐き続けるとか、X-T4にしておけばよかったと未練を何年も引きずって生きる事になる、という事はないのですが、予約購入したOM-D E-M1シリーズのファンとしては、更新にかけた期待を裏切られた悲しみはメモを残す程度にはありました。ダメですね、ファンというか、信者になってしまっては。次からはNikonからOlympusへ主力カメラを替えた時のように、しっかり吟味して更新していきたいと思います。